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新型コロナウイルス感染症:心臓弁膜症をもつ方へのアドバイス(Global heart hubより)

心臓病患者団体連合組織Global heart hubのウェブサイトに3月に掲載された、心臓弁膜症をもつ方へのアドバイスに関する記事をご紹介します。
本記事は翻訳であり、日本の医療制度と異なる点もあります。あらかじめご留意の上、ご覧ください。
なお、本記事の翻訳にあたっては、会員ボランティアの方にご協力いただきました。ご協力いただきありがとうございました。

新型コロナウイルス感染症:心臓弁膜症の患者さんへのアドバイス(2020年3月17日)

新型コロナウイルス感染症により、世界はかつてない公衆衛生上の課題に直面しています。その急速な感染拡大は、世界に大きな不安と混乱をもたらしました。心臓弁膜症の患者さん、最近手術や治療処置を受けたばかりで回復途中にある患者さんが不安になるのは当然のことです。この機会を利用して、新型コロナウイルスおよび現在の混乱した状況が心臓弁膜症の患者さんに与える可能性について専門家の意見を共有したいと思います。

新型コロナウイルスは肺および気道に影響する病気で、コロナウイルスというウイルスにより引き起こされます。世界各国での感染件数増加のため、病院では予想される入院患者数増加に向け、準備を始めました。一部の病院では医療スタッフの負担や病床数を減らすため、治療を取りやめたり、手術や治療処置を緊急の場合や救急の患者さんに制限したりしているところもあります。

病院では引き続き、心臓弁膜症の患者さんの治療を行いますが、現在の切迫した状況により、急を要しない治療については遅れや治療数の減少が予想されます。最も治療を必要としている患者さんの治療が優先されます。

心臓弁膜症の手術や治療予定がある場合はどうしたら良いのでしょう?

手術や治療の予定がある場合は特に医師の指示が無い限り、引き続き準備をしてください。手術が先送りになった場合には、症状を注意深く観察することが必要です。症状が悪化し、体調不良を感じるようになった時にはかかりつけ医に相談し、病院の医療チームに電話をしてください。重症の場合には救急サービスに電話をしてください。

心臓弁膜症の手術や治療を受けたばかりの場合はどうしたら良いのでしょう?

手術を受けたばかりの患者さんは、傷口が細菌にさらされる可能性があるため、感染リスクが高くなります。心臓弁膜症の患者さんの通常の感染リスクは低いのですが、現在の状況では、感染リスクを抑えるため、必要以上の対策を講じる必要があります。体調不良を感じるようになった時には病院の医療チームに連絡または救急サービスに電話をしてください。

新型コロナウイルスに感染するリスクを減らすには:

現在、新型コロナウイルス感染症を予防するワクチンはありません。病気を防ぐ最善の方法は、このウイルスにさらされないようにすることです。すべての心臓病の患者さんにとって、予防が鍵となります。 この状況により自分にどのような影響があるのか心配するのは普通のことですが、ウイルスにさらされていない場合は、他の誰よりも新型コロナウイルス感染症を発症するリスクは低いのです。ですが、コロナウイルスに感染すると、合併症を発症する可能性が高くなります。 コロナウイルスは、咳やくしゃみといった飛沫感染またはウイルスに感染している人との濃厚接触により広がります。

新型コロナウイルス感染症は新しい病気なので、ウイルスが人から人へどの程度容易に広がるのかはわかりません。ウイルスの感染拡大は、症状のある人から起こる可能性が最も高いです。ですので、密接な接触を抑えることがとても重要です。

主な推奨事項
  • 他者とのすべての不必要な接触を直ちにやめること。 これは70歳以上の方々にとって特に重要です。握手をしないこと。自分と他者との間に2メートル(5フィート)の距離を取るよう努めること。
  • 可能であれば自宅で仕事をすること。
  • 不要不急の旅行はすべて取りやめること。
  • 混雑した場所、特に屋内のイベント会場を避けること。
  • 子ども同士の交流を制限し、子どもたちが高齢者(祖父母など)と接触しないようにすること。
  • 石鹸とお湯で定期的に、しっかりと手洗いをすること。手洗いには、少なくとも20秒かけること。
  • 石鹸と水が利用できない場合は、除菌用ジェルを使用すること。
  • 咳やくしゃみをするときは、口や鼻を手では無く、ティッシュペーパーまたは袖で覆うこと。
  • 使用済みのティッシュペーパーはすぐにゴミ箱に入れ、その後手を洗うこと。
  • 体調の悪い人との密接な接触を避けること。
  • 手が汚れている場合は、目、鼻、口に触らないこと。
  • ボトルやカップなど、口に触れるものを共有しないこと。
新型コロナウイルス感染症の症状はどのようなものでしょうか?

注意すべき主な症状

高熱

息切れ

呼吸困難

その他の症状には、倦怠感、頭痛、喉の痛み、身体の痛みがあります。

これらの症状があるからといって必ずしも新型コロナウイルス感染症に感染しているというわけではないことを覚えていてください。 新型コロナウイルス感染症の症状は、風邪やインフルエンザなど、より一般的な他の病気に似ています。

これらの症状のいずれかがあり、医療機関での診療が必要だと感じた場合は、保健当局が発行した、病院での最適な受診方法についてのガイドラインに従う必要があります。

症状の進行がみられるか新たな症状の発現がある、特に失神や虚脱状態のある心臓弁膜症の患者さんは直ちに医師に連絡する必要があります。

今後数か月の間に自分や自分の愛する人に何が起こるのか、心配しかねない多くの理由があります。ですが、世界で最も優秀な人々が私たちの安全と健康を確保するために一生懸命働いていることを思い出してください。Valve Council of the Global Heart Hubは医学および公衆衛生の専門家の助言を受けており、心臓弁膜症の患者さんに影響を与えうる情報の変更については、随時お知らせします。

このような状況は本当に特異な状況です。今、私たちは、隣人、友人、家族を守ることが出来るよう、協力する必要があります。皆さんがやるべきことに関する最新情報については、信頼できる情報源を参考にし、質問や懸念がある場合は、かかりつけ医または地元の病院に電話をしてください。

参照元:

COVID-19: Advice for individuals with Heart Valve Disease

https://globalhearthub.org/covid-19-heart-valve-disease/

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