2023年第1回オンライン勉強会を開催しました
8月6日にオンライン勉強会イベントを開催しました。このイベントは、心臓弁膜症の治療の選択や生活をする際のヒントとなる情報を伝えることを目的に健康ハートの日(8月10日)を記念して毎年開催しており、今回は19名の方にご参加いただきました。
開催にあたっては、参加者の皆様から、心臓弁膜症、手術のご経験に関する質問を募集し、質疑応答も行われました。
アーカイブ動画も公開しましたので、ぜひごらんください。
勉強会の内容「看護の視点から考える「心臓手術を受ける患者が術前に抱く希望」について」
1)講演①心臓手術を受ける前の患者に、術前に抱く希望についてインタビューした結果や、その結果の臨床への実践などを報告いただきました。(高知県立大学看護学部 卒業生)
2)講演➁また、看護にあたり患者と一緒に実現したいことについてケアリングの視点から講義いただきました。(高知県立大学看護学部 神家ひとみ助教、大川宣容 教授)
・看護の目的は、患者の能力を引き出し、心身ともに調和を保てるように支援することです。分野ごとにその目的を解説いただきました。
・手術前の外来における看護 |
患者自身が手術に向けて、心と体の準備ができるようにサポートする 患者それぞれの身体状態に応じた看護計画を立てる |
・手術前の病棟における看護(入院中) |
患者がどのような気持ちで手術を受けられるのか、どのように手術を決心したかなど、患者、ご家族を理解することにつとめる。 |
・手術中の看護 |
意識のない患者が、安全・安楽に手術を受けることができるように、患者の気持ちを代弁し、手術経過を予測しながら必要な支援を行う。 |
・手術直後の看護 |
手術直後の患者は、手術や麻酔の影響で身体が不安定な状況。手術前のように、自分で身体を動かすことが難しい。患者が、自分の身体のことを理解できるように、 また、痛み、不快を察し、確認しながら、安全・安楽に過ごすことができるように支援する。 |
・手術後~退院における看護 |
患者が入院前にどのような生活を送っていたか、患者・ご家族が退院後にどのような生活を希望されているかを確認しながら、早期に退院できるように支援を行う。 |
質疑応答
勉強会では参加者の方から事前に頂いていた質問に講師の方々がお答えし、対話形式でのディスカッションが行われました。参加者の方々からは普段なかなか聞けない看護師の方からの話が聞けて良かった、安心して頼りにしていいということが分かったという感想を多くいただきました。
質疑応答から一部抜粋してご紹介します。
Q:これから手術を受ける予定です。患者としての術後入院中の心構えのようなものがありましたら、伺いたいです。
A:看護師にはどんなことでも頼ってください、ということを伝えたい。困りごとや聞きたいこと、お願いしたいことなど、些細に思われるようなことでも頼っていただくことで、看護師も患者の要望を知ることができ、よい良いケアにつなげていける。(卒業生)
Q:入院中看護師に頼りたくともいつも忙しそうでタイミングが分からず、聞きたいことがあっても声を掛けづらかった。どのタイミングが看護師にとって聞きやすいなどあれば教えてほしい。
A:朝と昼に検温の時間があり、その時間であれば患者も声をかけやすく、看護師も話を聞くことが出来ると思う。ぜひいつでも声をかけてもらって大丈夫ということも知ってほしい。(卒業生)
Q:患者と看護師の関係性は一方的にケアされる、するというものではなく、双方の関わり合いによって同じ目標を達成するという話しが印象深かった。そういった観点で患者にお願いしたいことはどんなことがあるだろうか?
A:手術をして退院後にどんな生活をしたいか、やりたいこと、目標などをぜひ教えてほしい。そのことが双方の目標になり、入院中の看護の時点から目標に向かって計画を立てることを可能にしていく。(神家助教)
アーカイブ動画
開催概要
・日時:2023年8月6日(日)13時半~15時半
・場所:オンライン会議システムZOOM
・対象:心臓弁膜症と診断された方、手術を控えている方、手術後の方、家族、支援者
・講師:高知県立大学看護学部 卒業生、神家助教、大川宣容 教授
後援:日本循環器協会
#健康ハートの日
#健康ハートウィーク2023
これまでに開催した勉強会の内容やアーカイブ動画は当会のウェブサイトに掲載しています。
以下のURLよりご覧いただけますので、ぜひご覧ください。
https://heartvalvevoice.jp/news/benkyokai210929/
各勉強会のアーカイブ動画は心臓弁膜症ネットワーク公式YouTube(https://www.youtube.com/channel/UCDlP_lsZIYUFy1EGwNSqf0Q ) でもご覧いただけます。