ASIA-PACIFIC HEART SUMMIT 2024に代表の福原が参加しました
タイ・バンコクで開催された循環器病に係る関係者が集まる会議に患者の立場から参加してきました。日本からは肺高血圧症患者と家族の会である「PAHの会」の村上紀子理事長、日本医療政策機構から2名、そして私が二つの会議に参加しました。
Thailand Ministry of Public Health、National Health Security Office、Asia-Pacific Cardiovascular Disease Allianceが共催するASIA-PACIFIC HEART SUMMIT 2024という会議が以下の三つを目的に10月18日、19日にタイ・バンコクで開催されました。
第一に、2025年の非感染症疾患に関する国連ハイレベル会合に向け、このアジア・太平洋地域のすべての循環器病の関係者を団結させ、多部門にまたがる行動を提唱する。第二に、循環器病治療を再定義するための革新的なアプローチの必要性を強調する。第三に、良好な循環器病の治療成果を確保するための基本的な政策とシステム(資金、人材、データ)を強調する。
私が直接参加したのは以下の方々と日本の「日本の健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」「循環器病対策推進基本計画」と都道府県での「循環器病対策推進計画」について成立の背景、期待、課題について行政、医療者、患者・市民の観点から紹介するパネルディスカッションでした。
・桑原政成、自治医科大学
・村上紀子、PAHの会
・福原斉、心臓弁膜症ネットワーク
・乗竹亮治、日本医療政策機構、モデレーター
2日間の会議の後、3日目(20日)にはAsia-Pacific Cardiovascular Disease Alliance とGlobal Heart Hubが共催するAPAC CVD PATIENTS’ ROUNDTABLEが開催され、私たち三人も参加しました。27の国(主にアジア、一部ヨーロッパ)から30名を超す患者団体代表・患者、医療者、製薬・医療機器会社、支援者が循環器病の啓発・発見・診断・治療・フォローアアップと続くペイシャントジャーニーにおける課題とその改善案についてラウンドテーブル形式で意見交換をしました。今後の取り組みは未定ですが、参加者の総意のひとつはどの患者・患者会も取り残していけない、協働・連携することで前に進めることが多々あるということだったと思います。
3日間の会議の中で、日本の患者会での取り組み(政策決定者への政策提案、大臣等への直接陳情やパブリックコメント制度など)を紹介すると、他国ではない取り組みであり、導入を検討すべきものとして受け取ってもらいました。また日本循環器協会での「循環器病患者みんなのWA」も紹介しました。いまグローバルレベルのハブは活動中(例えばGlobal Heart Hub)であり、アジアレベルでのハブは今回の集まりがその基礎になりそうですが、国レベルはほぼ無いようです。「循環器病患者みんなのWA」や日本医療政策機構がその役割を担ってもらえることを期待しています。
冒頭のパネルディスカッションで私は「私たちのことを私たち抜きで決めないで Nothing about us without us」という言葉と共に患者が医療の輪の中にいることが重要であることをお話しました。医療の現場は改善されてきていますが、それでもまだ課題も多く残っています。個人や小さな患者会では出来ないことは多いですが、患者・医療者・行政・企業が協働・連携することで達成できることが多くあると実感できた3日間でした。
会議で合意した内容は、後日紹介いたしますので、しばらくお待ちください。
代表理事 福原斉