どんな症状?
心臓弁膜症の症状とは
心臓弁膜症の主症状は、息切れ、胸の圧迫感や痛み、疲労感、ふらつき、めまい、失神および運動困難などです。
一般的に、息切れや胸の痛み、めまいなどは65歳以上になるとよくみられるため、「年をとったせい」「たばこを長年吸っているから」などと考えがちですが、検査をしたら実は心臓弁膜症だったということは少なくありません。中には、あまりはっきりと症状が出ない無症候性弁膜症の患者さんもいます。
とくに、ご本人が気づかないまま軽い弁膜症の状態が長く続くと、体が“順応”し、症状があってもそれを感じにくくなることがあります。
身近にいる家族や友人・知人などが、ご本人よりも先に症状に気付き、「息切れするようになった」「歩くのが遅くなった」などと指摘してくれることもあるので、まわりの人の言葉に耳を貸すようにすると、弁膜症の早期発見につながります。
気を付けたいのは、今まで何ともなかった坂道や、いつも通い慣れた道がつらくなるといった症状。これらは心臓弁膜症のサインです。とくに僧帽弁の弁膜症は比較的若いうちから症状が出やすく、40~50代から疲労、息切れ、咳などが現れます。
思い当たる症状のある方はなるべく早くかかりつけ医に相談し、心臓弁膜症を見逃さないようにしましょう。
狭窄症の症状
- 僧帽弁狭窄症(MS)
- 息切れ、呼吸苦、むくみ など
- 大動脈弁狭窄症(AS)
- 労作時の呼吸困難、狭心症症状、失神 など
- 三尖弁狭窄症(TS)
- 首の不快感、疲労感、皮膚の冷感 など
- 肺動脈弁狭窄症(PS)
- 労作時の呼吸困難、狭心症症状、失神 など
閉鎖不全症(逆流症)の症状
- 僧帽弁閉鎖不全症(MR)
- 呼吸困難、起座呼吸※、疲労感、動悸 など
※起座呼吸=横になると呼吸困難が増強し、起き上がって座位または半座位になると楽になる症状
- 大動脈弁閉鎖不全症(AR)
- 動悸、胸痛,労作時の呼吸困難、起座呼吸、夜間に突然起こる呼吸困難 など
- 三尖弁閉鎖不全症(TR)
- 無症状のことが多いが、重症になると疲労感、腹部膨満、食欲不振などが現れることもある
- 肺動脈弁閉鎖不全症(PR)
- 無症状のことが多い